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であり、以下これに絞って紹介、分析する29)。
産炭地域振興対策は、昭和30年代に始まった石炭から石油へのエネルギー革命により、石炭産業によって支えられてきた産炭地域の経済社会が大きな影響を受けたため、1961(昭和36)年に産炭地域振興臨時措置法(以下「産炭法」という)が制定されたことに始まる。5年間の時限法として制定されたこの法律によって、国は「産炭地域振興基本計画」と「産炭地域振興実施計画」を策定し、さらに3度の期限延長を経て様々な地域振興策を実施してきた。1991(平成3)年の法期限の際には、?@産炭地域振興実施計画原案の道県知事策定、?A地方税課税免除等の対象事業の拡大などを柱とする産炭法の改正を行って、平成13年度までの期限延長を行った。
福岡県内には、産炭法上、石炭産業の不況により疲弊の特に著しいとされる地域(6条地域)が、筑豊東・中地域(田川市を含む24市町村)、筑豊西地域(飯塚市を含む23市町)及び筑後地域(大牟田市を含む9市町)の合計35市町村にわたっている。この地域の人口は82万8千人で、県全体の487万人のうちの17%に当たる。6条地域は、いまなお厳しい雇用情勢、全国水準をはかるに上回る生活保護率、老朽化した炭鉱住宅等の問題を抱えており、「いまだ経済的社会的疲弊の解消という産炭地域振興の目的は十分達成されているとは言い難い」とされている30)。たとえば、1994年の生活保護率は、6条地域全体で39.3%であり、全国平均の5.5倍となっている。
こうした状況に対し、福岡県では、上記の改正法に基づき、関係市町村等の意見を聴いて産炭地域振興実施計画の原案を策定し、1991年10月に通産大臣に提出し、同年12月同計画が決定された。この計画の第2期(1995年度〜1997年度)の内容は、表1−2のとおりである。この計画には、住宅団地、福祉施設、公立学校、公園、下水道の整備や鉱害復旧等の生活環境の整備、次いで国道・地方道・市町村道の整備、港湾の整備、工業団地造成等の産業基盤の整備、さらに農業基盤の整備、農業近代化施設整備、土地改良事業、林道整備等の産業の振興という目的で、総計6,200億円の事業が、具体的な事業名、事業主体、事業内容とともに位置づけられている。
こうした公共事業を実施した結果、産炭地域の社会資本整備の状況は、下水道普及率を除いて他の地域に比べても進んでいる。また地域の就労人口の約15%が建設業従事者となっており、建設事業者の数も多い。

 

 

 

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